8月22日(8/22) この差って何ですか? 誤嚥性(ごえんせい)肺炎
日本人の死因
1位 がん
2位 心臓疾患
3位 肺炎
肺炎で死亡する人は、年間約12万人。
特に問題となっているのが、誤嚥(ごえん)性肺炎なのです。
40歳くらいから、のどの衰え(おとろえ)は始まります。
人間は食べ物を口にすると、正常であれば気道ではなく、食道に食べ物が流れていきます。
その理由は、気道の入り口にある喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれるフタが食べ物を飲み込むときに閉じて気道に流れ込むのを防いでいるからです。
しかしフタが正常に動かなくなると、フタが閉まるタイミングがずれたり、フタと気道の入り口に隙間(すきま)ができてしまうため、気道から肺に食べ物が入ってしまうのです。(これを誤嚥といいます。)
その結果、食べ物と一緒に細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎になる可能性が高まるのです。
問題 男性と女性では誤嚥性肺炎のなりやすさに差があるのです。
なりやすいのは?
答え・・誤嚥性肺炎になっている男女の割合は、男性7に対して女性3。
問題 なぜ女性はなりにくいのでしょうか?
答え・・女性はよくしゃべりますが、男性は年をとるにつれ、段々しゃべらなくなってきます。しゃべると、のどの筋肉は鍛えられるので、飲み込みの筋肉も鍛えられて誤嚥しにくくなります。
解説は、30万部の売り上げの「肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい」の著者、西山耕一郎先生。
誤嚥性肺炎になりやすい人となりにくい人の差は?
答え・・のどの筋肉を鍛えているかどうかなのです。
のどの筋肉は気道の入り口にあるフタの喉頭蓋(こうとうがい)を動かす役割があるので、のどの筋肉がおとろえると、フタが閉まりにくくなり、誤嚥しやすくなってしまうのです。
食事のときに一番大事なことは、最初の一口目で慣らし運転をちゃんとしないとむせやすいということです。一口目に何を食べるのかが大事なのです。
問題 一口目に食べると誤嚥しやすいのは?
ひきわり納豆?みそ汁?
答え・・みそ汁の方が誤嚥しやすい。
朝は頭がぼーとしています。
慣らし運転ができていない状態なので、喉頭蓋のタイミングが遅れて気道にみそ汁が入るのです。(最初の一口は、のどの筋肉が食べることに慣れていないので、フタが閉まるタイミングが遅くなってしまうのです。)
みそ汁だと液体だからすぐに流れます。フタの動きが鈍いので、液体は気道に入り、誤嚥してしまうのです。
水も同じ理由で、おすすめできません。
一方、ひきわり納豆は、なめらかにゆっくり落ちていくので、食道に入りやすいのです。固形というよりは、ネバトロ系のとろろごはん、卵かけごはん、あんかけなどがいいのです。
麺類も気をつけたほうがいいです。
すするという行為と、すすった後に飲むという行為が危ないです。
麺類をすするときは、息を吸う状態で、フタが常に開いています。そのため、スープやねぎなどを誤嚥しやすくなっているのです。
麺類を食べたいときには、あんかけ状にして麺を短く切るといいです。
会話をしながら食べるとフタが常に開いている状態なので、食べ物が気道に入りやすくなります。しゃべりながら食べるのはお勧め出来ないです。
誤嚥(ごえん)して、むせてしまったときはどうすればいいのでしょうか?
水はだめです。
むせたら、上半身を倒して前かがみになり、気道と食道が水平になるようにして咳(せき)をしたほうが、気道に入ってしまった食べ物を出しやすいです。
<効果的なのどの鍛え方>
1 特に有効なのはカラオケです。
キーの高い曲がおすすめで、高音の歌を歌うと、のどがより引き締まり、鍛えられるそうです。
2「嚥下(えんげ)おでこ体操」は、手の平の下の部分をおでこに当てたまま、おへそをのぞきこむようにするのです。(頭を下げます)このとき、手の平は下がった頭を上に押し上げるように力を入れます。つまり、頭と手の平が押し合っている状態なのです。のどぼとけ辺りに力が入るくらいの力で押し合うと、のど仏の上があがり、この状態を5秒間キープします。1日5回から10回行ってください。