8月22日(8/22) 名医とつながる!たけしの家庭の医学 腸を元気にする科

腸内フローラ(腸内にいるおよそ数百兆個の細菌がお花畑のように咲き乱れていることから命名

 

数百種類に及ぶ腸内細菌のバランスが保たれていれば、肥満、うつ病、心臓疾患、がんなど様々な病から身体を守ることが可能になるといわれています。

しかし、最近では生活習慣の乱れから、腸内フローラのバランスが崩れてきています。

その結果、腸にある異常が起きていることが最新の研究でわかってきたのです。

その異常が、「腸漏れ」なのです。

 

腸漏れ?聞きなれない単語です。

腸漏れとは、自分でも気づかないうちに、腸の中にある毒素などが腸の外に漏れ出し、その結果、全身で様々な不調をおこしているのです。

 

食生活など生活習慣の乱れが原因といわれますが、どれだけの人が腸漏れを起こしているのかは分かりません。

 

 合計20人の体に不調を覚えている人が血液検査をしました。その結果、18人に腸漏れが疑われました。

 腸漏れ研究の第一人者、中島淳先生に血液検査の結果を見てもらい、正常よりかなり高い数値の方が多いとの指摘がありました。

短期間ならいいけれど、長期にわたると、色々な病気の元になるようです。

 

腸漏れの正式が医学名称は、リーキーガット(leaky gut 漏れる腸という意味)で、この数年で分かってきた最新の病態です。大腸、小腸とありますが、腸漏れは小腸で起きています。

 

腸の中には気をつけるべき要注意の物質があります。

それは、悪玉菌が出す毒素で、腸の中に存在しています。

腸漏れによって、腸内細菌や毒素が血液に侵入します。そして、それが全身に運ばれてしまいます。

 腸漏れは、命にもかかわる重大な病の原因にもなります。

喘息、糖尿病、動脈硬化脳梗塞、敗血症(はいけつしょう)などになる可能性もあるのです。

*敗血症=細菌などが血液中に入って全身に回り、炎症を起こす病

 

<腸漏れを予防・改善するには?>

漏れ出してしまっている腸の壁の修復に期待がかけられている2つ方法があります。

① お酢

② 食物繊維(野菜の摂取)

 

アメリカで発表された論文では、お酢に多く含まれる物質が腸の細胞を活性化して、腸漏れを防ぐ働きをする報告や世界的権威を誇る雑誌のジャーナル・オブ・ニュートリションでは、お酢に含まれる物質が腸粘膜のバリア機能を促進させたという研究結果が報告されているのです。

 

お酢に含まれる物質とは、短鎖(たんさ)脂肪酸であり、腸内フローラをきれいに保つために必要な栄養素の一種です。

 

お酢にはさまざまな種類があり、穀物酢、米酢、黒酢、リンゴ酢、白ワインビネガー、バルサミコ酢などありますが、その中で短鎖脂肪酸が多いのは、リンゴ酢、白ワインビネガー、バルサミコ酢です。ですが、どのお酢でも効果は期待できるようです。

 

(注意) お酢を過剰に摂取すると、胃腸障害を起こす可能性があるので、ご注意ください。

目安は、1日大さじ1杯くらいです。

 

また、食物繊維(野菜)も腸内細菌で分解・発酵されて、短鎖脂肪酸に生まれ変わってくれるのです。

 

どれくらいのお酢や食物繊維をとれば、腸漏れを防げるかは、まだわかっていません。